「気筒内直接噴射エンジン」は新世代エンジンとして、いま最も脚光を浴びている。96年8月に三菱自工が、世界で初めて市販化した「GDI」は、「ギャラン/レグナム」用の1.8認直列4気筒から始まって、97年5月には、「パジェロ」用3.5認V6のエンジンも登場した。さらに97年中にセダン2車種、RV車3車種に搭載、すべての三菱車にGDIを載せた。このため「GDI」エンジンの生産能力を2万台にまで引き上げた。この「GDI」は、シリンダー内にガソリンを直接噴射するので、シリンダー内の空気の流れをうまくコントロールして、点火プラグの周辺に燃料を誘導すれば、あとの部分はごく薄い混合気でも燃焼されることができるわけだ。この結果、低燃費、高出力という二律背反する要素を同時に実現し、しかも排ガス中のCO2も大幅に削減したのである。「GDI」の低燃費ゾーンでは空燃費が1対30〜40の超希薄燃焼が可能となり、高効率の低燃費を実現した。しかもこのゾーンには、定常走行で時速120kmまでの広い実用走行域をカバーしている。その結果、10・15モード走行で、従来エンジンに比べて、燃費は約35%も向上し、ディーゼルエンジンをもしのぐ燃費を達成している。また、高負荷時には、シリンダーの上部に設置された直立吸気ポートにより、スムーズな吸気流が得られることや、圧縮比12対1という高圧縮比により、パワーアップを図り、出力を10%向上させている。さらに地球温暖化が要因とされているCO2の排出量も約35%削減した「環境保全型エンジン」となったのである。また、世界に先駆けて低公害車を発表したホンダが進めている「LEV」(ロー・エミッション・ビークル)テクノロジーも注目に値する。95年8月に技術が発表され、97年2月から「シビック」に搭載されたクリーンエンジンだ。従来の16バルブ高効率エンジンをベースに、最適空燃比制御や高効率の排ガス浄化装置などにより、有害物質のCO、HC、NOx、を国内自動車排出ガス規制値より一桁少ない十分の一にまで減少している。このエンジンは、95年、カリフォルニア州のLEV基準をガソリン車で初めて達成したのである。いかにも「アメリカに育てられた」ホンダらしいアプローチである。
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