見逃せないのが、爆発的なヒット商品の連発だ。胸を大きく見せたいが、着け心地の良さも求める消費者の本音をうまくすくいあげて商品化し、巧みなネーミングと宣伝で女性の心をつかんだ「恋するブラ」「天使のブラ」がそれだ。「天使のブラ」の販売数量は累計ですでに1000万枚以上。インナーウェア市場では前例のない数字である。百貨店、専門店という販売チャネルをがっちりとおさえているワコールは、その販売網の強さゆえに、自社で小売までを手掛けるSPA事業には出遅れたが、2000年9月から展開を開始した。2001年2月からは、?既存事業の再編成、?新規事業開発、?新付加価値の編集の3つの戦略を掲げ、業績回復を図っている。同社が強化する事業には、ブラジャーのセミオーダーシステム「デューブルペ」や、シルバー層対象のインナーウェアや生活雑貨を揃えたブランド「らくらくパートナー」など、データを蓄積し、高い技術力を持つワコールならではの取り組みが多い。ワコールの強みは、ジュニアからシルバーまで幅広い層を対象にした総合インナーウェア企業としてのスタンスにある。これはトリンプにはないアドバンテージだ。