電子書籍がさほど革新的なものとして登場しなかった理由

2010-12-13

アメリカでデジタルカタログを使った電子書籍がさほど革新的なものとして登場しなかったのには、それなりの理由がある。一つに、この国の基本理念に、多様性を良しとする風潮があるからだろう。文化的背景や宗教や人種の異なる移民で形成された社会では、それぞれの好みもニーズも違う。個人の個性が重んじられる。一つのスタンダードがある方がどんなに便利で物事がスムーズに運ぶとしても、そうならないし、むりやり統一するのはアメリカの精神に反する行為とされる。ビジネスや政治でも、みんなの意見が等しく満場一致であることよりも、いろいろな意見が出され、ディベートの末にゴタゴタしながらも多数決で物事が決まっていく方が、結果的にバランスのとれた強いものが生まれると信じている。そのために議論をし、競争をし、訴訟を起こし、前に進んでいく。