日本の家づくりの基本

2011-09-02

日本の家づくりの基本は、やはり「徒然草」にあります。第五十五段「家の作りようは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑きころ、わろき住居は堪へがたき事なり」現代日本の家づくりは、全く逆さです。ひたすら冬を暖かくの路線をひた走ってきました。何しろ昔の家は極端に寒かったのですから。それにしても「冬はいかなる所にも住まる」とは、昔の人はよほど我慢強かったのでしょうか。前項で述べた布基礎からアルミサッシに至る変化は、すべて冬暖かくを意図したものでもあります。その結果、冷気や隙間風は抑えられ、確かに住居は暖かくなりました。さらに地球規模での省エネ運動で、建物はますます気密性と断熱性をアップし、新しい住宅はいやでも暖かい空間となりました。よかった、よかったと……終わることができれば幸せですが現実はそうはいきません。何しろ、布基礎からアルミサッシに至る変化は、すべて湿気の害をまねく要素でもあったのです。そして同時に、冬暖かくは「夏も暑く」になってしまいました。