川口さんは現在、海外事業開発部勤務で、海外の得意先などと仕事をする機会も多い。大変なのは、情報をタイムリーに人手することだという。「海外では、まだまだ日本国内ほどの販売網や情報網が構築されていないため、海外でのネットワーク作りはとても重要なことだと思います。市場情報はもちろんですが、製品の販売に当たっても地域や国によって満たさなければならない安全規格や法律が異なってきますから、扱う商材が多岐にわたっている分、国ごとの対応に追われることもあります。いかに早く必要な情報を人手するか?ということは、どんな部署でも一緒ですよね」パスポート事業は、凸版印刷の海外でのセキュリティ分野における先がけとなった事業で、発行機をけじめ、さまざまな商材を納めており、現在では十数力国で同社の技術が採用されている。パスポートのように身分を証明する文書には、より一層、信頼性や高度な技術が求められており、同社は今後も、同様の技術を各国の国民IDや運転免許証などの各種身分証明書類へ展開していく。海外でトッパンブランドの認知度を高めたいところで、川口さんが仕事を進めていくなかで、喜びを感じるのはどんなときなのだろうか?「やはり、自分の手がけた仕事を目にしたときではないでしょうか。私の場合、海外でパスポートを目にしたときなどに、『あ、凸版印刷のプリンタで印刷した物だ』といった喜びを感じることがあります。その国のほとんどの人が私たちの手がけた物を持っていると思うと、すごく楽しくて、もっともっと、そんな国を増やしたいと思いますね」もともと商社志望で、海外で仕事をしたかった川口さんにとって、凸版印刷に入社した時、一度は切り離していた海外との仕事ができる現在の部署は、非常にやりがいがあるという。「商社でも総合商社を志望していたのですが、それは会社として扱っているものが多岐にわたるからということが理由の一つでした。現在は偽造防止技術という分野で、さまざまな商材を扱うことができるので、就職活動中に思い描いていたことができています」今後やってみたいことを、川口さんに聞いてみると、「凸版印刷のセキュリティ分野の中で、パスポート事業は、海外でも比較的認知度が高いのですが、全体では日本国内における事業規模ほどの大きさはありません。世界の印刷業界を見てみると、凸版印刷のような総合印刷会社というのは、特殊な存在なんです。この総合力を発揮して、もっともっと、存在感を示していけるのではないかと、楽しみに思っています」と語ってくれた。同社は、2015年に海外での売上比率を現在の15%から30%にすると目標を掲げている。その意味でも、川口さんの話にもあるように、海外で存在感を示していく余地はかなりあるといえる。そのために、海外拠点との連携を強化したり、展示会へ出展したりするなど、販売促進・アピール活動も積極的に行っている。フランスでの展示会には2006年から出展してブースを設けており、川口さんも毎年参加している。海外の展示会は商談がメインなので、認知度の比較的高いプリンタ以外にも、さまざまな技術や商品をアピールして、そこから市場を拡大したいと考えているという。「毎年、凸版印刷の事業領域の広さを少しずつ伝えられるよう、商材を選んでいます。出展物の選択肢が多いのも、社会のニーズに応える当社ならではの総合力、印刷技術の奥の深さゆえではないかと思います。先はどの繰り返しになりますが、部門としてこだわっているのは、凸版印刷独自の技術を開発し、いかに自分達の存在価値を出していくか、ということです。数ある印刷事業のなかでも、セキュリティ事業に関しては、この点が最も求められていると思います」凸版印刷のビジネスは、地球規模で躍進を続けていこうとしている。川口さんは、新たな市場の開拓を目指して、これからも活躍の場を広げていくことであろう。
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