効率のいいチーム医療を実現するには、病院スタッフの役割分担の他に、近隣の病院や診療所との連携システムを構築していくことも重要となる。正直、これまで病院と診療所の間には大きな溝があった。両者の関係を阻んでいた最大の元凶は、勤務医の「過剰なプライド」である。とくに大学病院の医師の多くは、その歴史的背景から多少なりとも「おごった」部分がある。私自身、東京女子医大病院に勤務していた頃は、恥ずかしながら「自分は大学の医者で偉いんだ」という意識が心の奥底にあった。人間は弱いもので、周りから「先生、先生」と持ち上げられると、ついその気になってしまうのである。当然、開業医から見ればおもしろくない。「大学の医者はいつも偉そうにしている」ということになり、対立した構図が長く続いてきたことは否定できない。ちなみに、アメリカでは医師同士のつきあいの中で、教授などの役職でのアドバンテージはほとんどないと聞く。もっとも大切なのは、医師としての「腕」であって、肩書きは関係ないというわけだ。日本でチーム医療を成功させるには、医師たちの意識改革からはじめる必要があるだろう。