これまでは値引きするといってもせいぜい一〇パーセント止まり。しかしこれだけのマンションが一気に溢れ出せばその程度ではすまない。やがて支えきれなくなった大手マンション業者あたりから値崩れが起きればまたたく間に業界全体に広がるかもしれない。早く売りたいという業者が相次いで、ついにマーケットは崩壊。そのときがマンションの大暴落である。さらにそれ以上に危険なことは、こうした採算ぎりぎり、あるいはコスト割れまでして建てられた安価なマンションは本当に大丈夫だろうか、ということである。もしも関東大震災級の地震が再び東京を襲えば、まっ先に倒れる危険性を孕んでいるのではないだろうか。神戸市街の壊滅はその教訓になる可能性がある。値崩れが起きても価値はゼロにはならない。だが、少しでも傾いて取り壊さなければならないはめになれば、ゼロどころか大きな出費を強いられることにもなる。安物買いの銭失いとはよく言ったものである。