日本のファッションデザイナーの地位向上

2011-05-17

NDKは日本のファッションデザイナーの地位向上を目的に、昭和29年に設立された文部省認可の社団法人なんです。いいですか、通産省(現・経済産業省)ではなくて文部省認可というあたりが、この時代のファッションデザイナーに対する認識を表してると思いませんか。簡単にいえば、ファッションデザイナーたる人種が創作するモード作品なんて日本経済を支える規模の産業ではない、あくまで能や歌舞伎と同じく趣味性の高い大衆文化のジャンルのひとつなんだということです。この戦後の黎明期におけるドレスメイキングの大革命が西洋の立体裁断のテクニックだったんです。古来日本には着物文化をベースにした平面裁断が常識的にまかり通ってきました。戦前、戦後を通して良家の子女は花嫁修業として洋裁を学んだとはいえ、そのテクニックは平面裁断の域を超えるものではなかったはずです。そこに例のディオールショックともいえる旋風が巻き起こり、「立体裁断のテクニックを習得せよ!」というのが洋裁学校関係者の一大ミッションとなった。先に述べた東京会館でのディオール来日ショーにあたって、彼らがこぞってアイロン係に応募したというエピソードもそう考えれば理解できます。