伝統的なオートクチュールの存続を危ぶむ声

2010-12-21

人々は自然体でいこうといった生き方を追求し始めている。冬にはとくに寒さの厳しいヨーロッパなのに、“動物を殺して着るなんて”といった運動が起こって、贅沢のシンボルだった毛皮産業はほとんど壊滅。寒い季節の必需品だからと、レインコートの裏にミンクのコートを仕立て直すといった傾向も目立ってきた。安くて洗濯のきく合繊の綿入れや人造毛皮が脚光を浴び、新製品が開発されている。ウィークデーと週末のめりはりのきいた過ごし方は、女性の衣生活を、スポーツウェアと“女のセビロ”の両極にしてしまった。そんな新しいライフスタイルと経済の低迷が富裕階級を減少させていると、伝統的なオートクチュールの存続を危ぶむ声がフランスでよりはむしろ外国で高くなってきたように思う。長い歴史を持つランバン社がオートクチュールの仕事とアトリエを閉鎖して、職人たちを大幅に解雇したと発表された。“パリの粋”といわれてきたイブ・サンローラン社が株をすっかり手放してしまったとか……。