私が子どもに願うことは、ただひとつ。幸福になってくれることだ。東大というブランドは、力にもなるかもしれないが、マイナスに働くことも少なくない。しかし、人に好かれる性格というのは、まずマイナスに働くことはない。そうした育て方をしてくれた妻には感謝している。ここで改めて言っておきたい。方程式を解くように東大に合格する方法はない。むしろ、どたばたとたいへんなことになる。でも、だからいいのだ。困難や目標があるから、家族は結束できる。東大に限らず、きっとどの家庭だって、子育てにのたうち回るような苦しみを味わいながら、目標を目指しているにちがいない。その点では東大受験は、甲子園を目指す球児の家庭とそれほど変わらない。重要なのは、そののたうち回るような苦しさも、楽しく思えるかどうかである。