日本が鎖国を解き西洋に出会ってから、はや一四〇年。いまでは服装はパリやニューヨークのファッションと変わらず、着物はふだん着ることもなくすっかりフォーマルウェアになってしまいました。レストランではイタリア料理やフランス料理が定着し、若い人のあいたでは、和食はもはや料理の一種類でしかありません。家庭でもハンバーグやカレーライスが定番となり、イワシやサンマを食べる回数はめっきり減ってしまいました。住まいも同じく椅子やテーブルの様式になり、和室は一部屋か二部屋、予備の部屋としてあるくらいです。こんなふうに外国(=西洋)かぶれの日本人ですから、外来語に関しても原産国の発音をそのまま取り入れる傾向があります。たとえば、ドイツという国名は「Duitsch」の発音で、日本はそのまま採用しています。これが、ヨソのことばではどうかというと、英語では「Germany」、フランス語では「Allemagne」になって原型をとどめません。